足し算式・食育ダイエットの本質 / 我慢せず、心と体を満たす食べ方

食育ダイエット学

ダイエットというと「減らす」「我慢する」という発想になりがちですが、僕たちはその逆である“足し算の食事”を大切にしています。体を整える一番の基本は、いのちのリズムが乱れないこと。その軸になるのが「お米+具沢山味噌汁」を中心にした一汁一菜の食べ方です。

お米をしっかり食べることで体温が上がり、間食が減り、無理なく“やせ体質”へと変わっていきます。ただ制限するのではなく、いのちを満たしながら自然と整っていく。そんな創造的で続けやすい“足し算式・食育ダイエット”の本質を丁寧にまとめた記事です。

いのちのリズムを整えることで、無理なく痩せる

食事に関するテーマの中心にある話題が「ダイエット」≒「痩せること」だと思います。ハンドレッドアカデミーでは、「生命のリズムを整える食育」という言葉を軸にダイエットを考えます。

食べなければ痩せる。
糖質を抜けば痩せる。
これさえ食べれば楽に痩せる。

といった単純な食事方法は推奨しません。

また、カロリー計算なども推奨しませんし、食材を善悪で判断したり制限したりすることもしません。

「痩せなきゃ → 制限」
この流れは、一生を考えたときに継続することができません。

食事の我慢は強いストレスを生み、ため込むほどにいずれ食欲が爆発します。何度もリバウンドを繰り返す方は、このようなスパイラルに陥ってきたのではないでしょうか。

僕たちが推奨しているのは、「足し算式・食育ダイエット」です。

ハンドレッドの記事で何度も出てくる言葉ですが、僕たちは「いのちのリズム」を大切にしています。食べる量や種類を引き算していくのではなく、体に良くて美味しいものをプラスしていく、というマインドを持ちます。

引き算じゃなく「足し算」で整えるダイエット


足し算式食育ダイエットの合言葉は「しっかり食べること」。

そして、その軸を「お米+具沢山味噌汁」にすることです。

これに好きなおかずを足して“一汁一菜”を基本にするのですが、重要なのは、この2つを中心にお腹を満たしていくことです。

現代は、「お米(炭水化物)は太る」という恐怖心から、おかずを中心にお腹を満たそうとする人が多いです。

でも、お米には本来、からだを動かす燃料になる炭水化物だけでなく、筋肉の材料になるたんぱく質、代謝を助けるビタミン・ミネラル、腸を整える“難消化性でんぷん”も含まれていて、しっかり食べたほうが体温が上がり、基礎代謝も高まるんです。

白飯を抜くと甘い物を欲しやすくなるのに、白飯をしっかり食べると間食が減る。そんな“体の正直な反応”も、多くの研究で確かめられています。

だから、お米を軸にして食べることは、太るどころか「やせ体質」をつくる方向につながります。

自分の分のおかずを小皿に取り分け、ご飯と一緒に食べる。食べる量が足りない場合は、おかずだけを追加するのではなく、ご飯やみそ汁も一緒に追加していく。これだけなのです。

重要なのは食べる食材の種類や量よりも、ご飯(+味噌汁)とおかずの比率です。ご飯を満足の軸にする分、おかずは少し少なめにするのですが、目的としているのは脂質の比率を少なくすることです。

短期的には「お米を減らしたほうが痩せているように感じる」かもしれませんが、長期的に見たとき、僕たちは「お米+味噌汁」を軸にすることが一番自然で、無理がなく、生命のリズムに沿った食べ方だと考えています。

足していくマインドで、創造性豊かな食事へ

「制限する」
「我慢する」

このような“引き算”的なマインドだと、脳はストレスを感じて食育を始めても長続きしません。

食事は“足し算”というマインドを持つことからスタートし、罪悪感なく食べることが大切です。

たとえば、平均的なご飯1杯(150g)と具沢山味噌汁を3食食べた場合、そのカロリーは内容にもよりますが、おおよそ1000キロカロリー。1日の推奨摂取カロリーは1800〜2000キロカロリー。

カロリー計算は重要ではないのですが、ここで伝えたいのは、まだまだ食べていい余白があるということです。むしろ足りていないのですが、米と味噌汁という多機能食を土台にすることで全体のバランスを取りやすくなるんです。

そして、この“余白”こそがポイントで、ここに何を足していくかを考えるのがとても面白いし、創意工夫の種が眠っています。

「足す」方向で考えると、食事は“我慢”から“創造”に変わります。そしていつの間にか、痩せることだけじゃなくて、からだが温まり、心が落ち着き、「いのちのリズム」が整っていきます。心の状態、体温、代謝などな要素が密接にかかわっていますので、しっかりと食べることで心と体全体のリズムが改善します。

これが、足し算式・食育ダイエットの本質です。