食育において“基礎代謝”を学んでおくことはとても重要です。
なぜなら、ダイエットとは「食べない」「我慢する」ことではなく、体がどれだけ燃えてくれるか。この“火力”のほうが結果を大きく左右するからです。
呼吸や心臓、脳、内臓が生み出す熱。
生命が自然に燃やしてくれるこのエネルギーこそが基礎代謝であり、僕たちの総消費エネルギーの6〜7割を占めています。
つまり、痩せる・痩せないの土台は、意志ではなく“代謝の火力”。
その火力は体温や冷え性など、外に現れるサインとして読むことができます。
この記事では、基礎代謝の仕組みから、体温1℃の違いが生む「おにぎり1個分の差」、そして食育として最もシンプルで効果的な「お米+具沢山味噌汁」の意味まで、丁寧にまとめていきます。
食育とダイエットの本質は「基礎代謝」にある
食育において“基礎代謝”を学んでおくことはとても重要です。なぜなら、ダイエット=「減らす/我慢する」ではないからです。
太る/痩せるの大きな差は、基礎代謝の火力にあります。
食育の役割は「何を食べるか」だけではなく、体が燃える仕組みそのものを整えること。つまり、食べ方の前に “燃える準備” を整えることが最重要なのです。
そもそもの話ですが、生命は生きるために“熱”が必要です。
呼吸、心臓、脳、内臓の動き。
これらは生命活動を維持するために自動的に熱を生み出してくれています。
基礎代謝は、驚くべきことに、1日の総消費カロリーの約60〜70%を占めています。
基礎代謝をつくる主な要素は以下の通りです。
・筋肉量
・内臓(肝臓・腸・心臓)
・ホルモン(甲状腺・自律神経)
・体温調整機能
・年齢・性別・遺伝
「痩せる・痩せない」は、意志よりもこの“土台の火力”で決まるといっても過言ではないのです。
基礎代謝10%の差はどれくらい違うのか
基礎代謝の指標は、体温として現れます。
体温が1℃違うと、基礎代謝(≒安静時代謝)が約10〜13%変化するというデータが複数あるんです。
※基礎代謝そのものは厳密には測れないため、研究では安静時代謝(RMR)を基礎代謝の代わりに測定しているという背景があります。
この基礎代謝10%の差(体温1℃相当)は、実はとんでもなく大きいのです。
成人の基礎代謝は 1200〜1500 kcal。
その10%は 120〜150 kcal/日。
これはそのまま
=おにぎり1個
=食パン2枚
=板チョコ半分
=コンビニ味噌汁+小皿
に相当します。
つまり、なにもしなくても毎日
「おにぎり1個分が勝手に燃える」人と
「おにぎり1個分が勝手に残る」人に分かれる。
年間にすると、
120 kcal × 365日 = 43,800 kcal
→ 約4〜6 kg の差。
性格でも努力でもなく、ただ燃える力(基礎代謝)の違いだけで数kgの差がつくということです。
体温は「基礎代謝の火力」を外から読める生きたサイン
基礎代謝そのものは直接測れませんが、外側に現れる体のサインなら読むことができます。
・朝の体温
・手足の冷え(末梢血流)
・汗のかき方
・腸の動き(便通)
・脈拍(自律神経)
この中で、いちばんわかりやすい指標が 体温です。
・35℃台/慢性的な冷え → 代謝の火力が落ちている可能性
・36.5〜37℃ → 生命の燃焼が安定しているレンジ
だからこそ、体温=基礎代謝(安静時代謝)を推定できる、生きたサインと言えます。
体温1℃の違いは、
“毎日おにぎり1個分の代謝の差” として積み上がり、
結果として理論上“年間4〜6 kg”の差となって表れます。
お米と具沢山味噌汁で代謝を上げよう
最も自然な形で底上げしてくれるのが、 お米と具沢山味噌汁 という、日本の食卓に昔からある組み合わせ。
お米は肝臓にとって最適なエネルギー源です。
肝臓は基礎代謝の約3割を担う大きな“発熱器官”で、ここに安定したグルコースが入ることで生命の火がしっかり燃えます。極端な糖質オフが代謝を下げるのは、まさにこの“火の燃料”を断ってしまうからです。
一方で、具沢山味噌汁は内臓の働きを丸ごと支える器。根菜・きのこ・海藻・豆腐・味噌。
これらが腸・肝臓・腎臓といった代謝の中枢を自然にサポートし、内側から代謝を押し上げます。
加えて、温かい汁物は体温を上げ、血流を改善し、内臓の動きを促す“代謝スイッチ”になります。根菜やきのこを噛むことで咀嚼が増え、自律神経も穏やかに整うんです。
つまり 「お米+具沢山味噌汁」だけで、代謝の主要因(肝臓・腸・体温・自律神経)がほとんど満たされるということなんです。
ダイエットは「減らす」ではなく「燃える体を取り戻す」こと。
基礎代謝こそが痩せる/太るの土台であり、健康を維持するための重要な要素です。
食育とは、“何を食べるか”よりも生命の火力を育てる営み。体温は、その火力が外へ現れた「体の声」です。
ハンドレッドアカデミーでは、「心、自然、暮らしをつなげる」を合言葉にしていますが、健全な熱を生み出す体に近づくためには、食事だけではなく心の状態やライフスタイルも大きく関わります。
食育とは生命全体を捉えるもので、基礎代謝は一つの重要なトピックです。ぜひ、参考にしてみてください。


