『キッチンコンポスト』で生ゴミゼロ生活/密閉式コンポスト

コンポスト学
oppo_32

キッチンコンポストとは

今回は、キッチンで出来る『コンポスト』づくりについてご紹介します。

コンポストとは、日本語では『堆肥(たいひ)』です。

堆肥を簡単に説明しますと、

藁や草や葉っぱ、家畜の糞尿などの有機物を微生物の力で発酵・分解させたもの

です。堆肥は土に混ぜることで植物の生育を促してくれます。

キッチンコンポストとは、

『キッチンの中で生ゴミを堆肥という資源に変え、次の命を育てる土壌をつくる』

方法です。

家庭の中で自然の循環の一部を担うことが出決ます。

コンポストで心配なのが『虫の発生や嫌な匂い』ですが、そのような不安が全くない方法があります。

ぜひ取り組んでみてください。

密閉型バケツコンポスト

キッチンでおすすめなのが、『密閉式バケツコンポスト』です。

『ぼかしコンポスト』などと呼ばれています。

まずは使い方をご紹介します。

①家庭で出た生ごみを用意する。

②コンポストバケツに生ごみを入れる。

③菌床を一つまみふりかける。

④空気を抜くように中蓋を押し込んで、密閉する。

これだけでオッケーです。

これを繰り返すと、少しずつ発酵が進みます。白カビは問題ありません。漬物のような匂いがすればうまくいっているサインです。

バケツがいっぱいになったら数週間ほどそのまま寝かせましょう。出来上がったものは『ぼかしあえ』と呼ばれるものになります。

発酵の仕組み

そもそものお話ですが、発酵には大きく分けて2種類あります。

1つ目は、好気性発酵(こうきせいはっこう)。

空気に触れさせながら発酵させる方法で、定期的にかき混ぜながら分解を進めるやり方です。

空気が好きな菌(好気性菌)が分解してくれます。一般的なコンポストはこちらを指します。好気性発酵で分解できるものは植物性の生ゴミです。

2つ目は、嫌気性発酵(けんきせいはっこう)。

キッチンに向いている密閉式コンポストはこの方法です。

空気を嫌う菌(嫌気性菌)によって分解・発酵をしてもらうやり方です。こちらは植物性の生ゴミだけでなく、一般的にコンポストにいれてはダメとされている魚の骨や卵の殻、そして肉なども分解できます。

どちらの方法でも、『菌』の存在が必要になります。

キッチンでは市販の菌床を使おう

キッチンコンポストの場合は市販の『菌床』を購入するのがおすすめです。ネットで『コンポスト 菌床』などで調べるといくつかの商品が出てきます。

コンポストで心配なのが『腐敗』です。発酵がうまくいかないと腐って虫や匂いが発生します。経験上、市販の菌床ではこのようなリスクはほとんどありません。安心してチャレンジしてみましょう。

ぼかしあえが出来たら

バケツコンポストがいっぱいになって、2〜3週間寝かせたものを『ぼかしあえ』と呼びます。

こちらは、まだ完全に分解はされず生ゴミの形が残っていますがそれでオッケーです。

この状態は『一次発酵』が済んだ状態で、完熟ではありません。

この『ぼかしあえ』は土に埋めてさらに二ヶ月ほど置いて完熟(二次発酵)させます。庭の土でも、プランターでも構いません。

二次発酵もいろんなやり方がありますが代表例をいくつかご紹介します。

①屋外コンポストに入れる

屋外にもコンポストを設置している場合は、そこに入れましょう。

屋外コンポストの中にいれて、定期的に切り返し(混ぜて空気と触れさせる)をして好気性発酵を促す方法です。ぼかしあえを投入することで発酵の起爆剤・促進剤となります。

我が家では屋外の一般コンポストに入れて落ち葉や草と混ぜて好気性発酵させます。

②庭の土に埋める

深め(30〜40cm)の穴を掘り、土をかぶせます。ビニールシートなとで覆うと、腐敗して虫が湧いたり動物が掘り返したりするリスクを防げます。自然に分解されて、土に還ります。

③プランターやバケツに埋める

庭がない場合などは、ぼかしあえをプランターやバケツの底に入れて、土をかぶせます。植物を育てたあとの土を使うと、土の再生が出来て便利です。

プランターの場合はビニールなどで覆い、バケツは蓋付きのものを使いましょう。雨などで水分が過剰になると腐敗のリスクが高まり、土に還るまでの時間が長くなります。

この際、密閉してそのまま置いておく嫌気性発酵をさせるのが一般的です。

定期的に切り返しを行うと、好気性発酵優位になります。


2ヶ月ほどで完熟すると言われていますが、我が家では一般コンポストで発酵・分解させた後、さらに半年〜1年間放置して土に還します。

フカフカで栄養たっぷりの土が出来上がります。注意点として、完熟させてないものを直接植物に与えないようにしましょう。