レイズドベッドとは、
【(raized:上げられた)(ベッド:床)】
という意味です。
枠を作ってその中に土を入れ、野菜を栽培方法です。
つまり、『地面よりも高くなっている土』という意味になります。これは、『一般住宅の庭で野菜を育てる際』にとても有効な手段です。
『土に直接植えればいいのではないか』と思う人もいるかもしれませんが、レイズドベッドはガーデンとしての【質の確保】と【管理のしやすさ】でとてもおススメの方法です。
『野菜の栽培=畑』というイメージがあるかと思いますが、
レイズドベッドはガーデン(菜園)を創るようなイメージで制作します。
野菜だけでなく、花やハーブの美しい風景、優しい香り、ひらひらと舞う蝶など、あなたの理想を思い浮かべましょう。『美しくて居心地の良い庭』を制作するような感覚で、野菜を育てることが出来ます。
レイズドベッドの制作をお勧めする環境は一般住宅の庭です。
〇小スペース
〇土地の下層がコンクリート(水はけ不良)
といった、本来は野菜を育てにくい環境で真価を発揮します。
ベッドのメリット

レイズドベッドを作成することで、様々なメリットを得られます。
〇おしゃれなガーデンになる。
レイズドベッドを設置することで、あなたの裏庭は『おしゃれなガーデン』に変化します。野菜やハーブ、花、果樹などが生い茂った心地よく過ごせるような空間を創ることが出来ます。
〇土の量を確保できる。
レイズドベッドは、小スペースで土よ量を確保できます。一般的な畑で見られる畝(うね)で土の量と高さを確保しようとすると、山型になるため広いスペースが必要になります。レイズドベッドは狭いスペースでも省スペースで土の量を確保できます。
〇排水性と通気性の良い環境になる。
レイズドベッドによって土の高さを確保できます。元々水はけが悪い場所でも、排水性を大幅に向上することが出来ます。家庭菜園で大変なのが虫や病気の対策です。土の環境がよくなると虫や病気による被害が大幅に減ります。
〇体の負担が減る。
レイズドベッドを制作すると完全にかがみこむ必要がないので、腰や足の負担を減らします。
〇菜園を管理しやすくなる。
栽培するスペースを明確にすることで、野菜や雑草の管理が容易になります。また、地面と栽培スペースを切り離すことで雑草が生えにくくなります。管理が本当に楽です。
作り方
デザイン
私たちは自宅の裏庭にレイズドベッドを設置しました。その制作過程を追いながら、作り方をご紹介します。
まずは、庭の状況を把握することから始めます。
私たちの庭は、およそ20平米。

密集した住宅街の中の古民家で、庭の四方は壁や家屋で囲まれています

土がありますがカチカチ。その下の基盤はコンクリートです。
排水性はかなり低く、雨がふるとぬかるみます。
まさに、レイズドベッドを作るに値する環境です。
デザインの際は、
〇庭の面積
〇方角と日当たり状況
〇元々ある木や、水路などの位置
などの3点を事前に確認して、まずは見取り図を描きましょう。

その際、実際にメジャーで庭の広さを測っておくと良いです。ベッドの具体的な幅を決めることが出来るので、枠の材料を調達する際に楽になります。
庭の状況を確認したら、
『日当たりや風通しの良い場所はどこか』
『どこに何を植えたいか』
などを考えながら、理想のガーデン風景を思い浮かべましょう。苗床やコンポストなども置きたい場合は、それも考慮しましょう。
イメージをもとに、ベッドを設置する位置を決めていきます。
僕たちの場合、20平米の裏庭をこのようにデザインしました。

この見取り図は、左側が北側です。
北、東、西側に細長いベッド、中央部分にU字型のベッドを設置します。
その際、人が移動するための『通路』を確保しましょう。ベッドのどの部分にも直接手が届くようにするのが理想です。
管理しやすいアイデアとして、『キーホール(鍵穴)』型のデザインがあります。
ベッドの幅が広すぎると手が届かず管理しにくいので、真ん中に通路を空ける方法です。
私たちのデザインでは、キーホールの応用でU字型にしています。

通路の最小幅は、私たちの経験上では30センチ(↑写真の赤矢印)です。30センチを確保できれば歩くこと、しゃがみ込むことも可能です。
通路幅を決めたら、それを元にベッドの幅を決めましょう。私たちのベッド幅は50~70㎝。1m程度までならギリギリ両サイドから手が届くので管理できると思います。
枠の制作

枠は、どのような素材を使用しても構いません。
安価な素材は木材ですが、レンガやコンクリートブロック、竹や木の枝などの自然素材でも制作できます。
注意すべきは『強度を確保すること』です。土の重量で枠が外側へ押されますので、ある程度は頑丈に創る必要があります。僕たちは安価な杉板で制作しました。
この機会に、DIYにチャレンジしてみましょう。
のこぎりと電動ドリルがあれば制作することが出来ます。
土入れ

レイズドベッドで大変な作業が土入れです。
かなりの量の土を確保しなければなりません。
必要な土を最小限に済ます方法は、
『土を入れる前に、枯れ枝や落ち葉などの有機物を詰め込むこと』
です。
先に有機物を敷き込んでおくことで、土の量を大幅に軽減することが出来ます。
これらは長期間を経て有機物として分解されますので、将来的には肥料になります。枝葉や草は、出来るだけ風化して朽ちかけたものを使用しましょう。

枯れ枝葉の上に、土を投入します。枝葉の隙間にも土が入っていくように、棒やシャベルで押し込みながら進めましょう。土は期間が経つと徐々に目減りしていきますので、多めに入れておくと安心です。
土は、どんな種類のものでも構いません。
コストがかかるので、知り合いに土を貰える場合はそれを第一優先にしましょう。
購入する場合、『赤玉』をメインに『鹿沼』+『腐葉土』がベースの土にするのがお勧めです。

これだけでは土に栄養がないので、お好みでたい肥や元肥入りの土を入れましょう。
また、赤玉土と鹿沼土は酸性の土です。必要であれば苦土石灰を入れて中和してください。
無事に土が入りました。

予定通りのベッドに仕上がりました。
植えつけ
ベッドが完成したら、いよいよ植えつけていきましょう。

種からでも、苗からでも、あなたの自由です。わくわくした気持ちで、近所の園芸店に行きましょう。
1シーズンくらい経つと、野菜、ハーブ、花などが茂ってきました。私たち好みのワサワサした感じです。




レイズドベッドを設置すると、作業が楽になりますし野菜が育ちやすくなります。ぜひチャレンジしてみてください。


